毎日毎日、会社の中で起きる歪みを調整。
もともと無理があるのに、そのまま回そうとするからいろんなところで不具合が発生する。
それを何とか「なかったこと」にするのだ。
朝から晩まで駆けずり回り、めちゃくちゃ集中して収束させる。
終わった後の疲れは半端ない。
そんなことを毎日毎日繰り返していた。
たくさんのお金と引き換えに。
会社を辞めた後、ふと思った。
これ、私だけの話じゃないんじゃない?と。
きっといる。私の他にも同じように苦しんでいる人が。
その人たちに伝えたい。
ヤクザの足抜けじゃないけど、サラリーマンを抜けようとするとどんな仕打ちに遭うのかを。
さらに、レアケースである管理職の転落がどんなことになるのか、
そして、そこからどうやって這い上がるのかを。
そう思うことで急に前向きな気持ちになった。
困っている人の役に立ちたい。
もともとそういう気持ちが人一倍強い私だった。
学生時代は社会福祉クラブで部長を務めたこともある。
人に喜んでもらうためなら、ものすごいパワーが湧き上がってくるタイプの人間だった。
なのに、今まで体をすり減らしてやってきたことは何だったんだろう。
まあ、広い意味では、会社で働く人たちを守ることに繋がる仕事だ。
もっと言えば、経営層を守ることになる。
でも、そうやって私が辻褄を合わせていたことで真の改善が遠のいた。
つまり、その場しのぎにはなったのだ。
もっと根本的な改善が必要であることはみんながわかっていたのに。
会社は誰のためにあるのか?
経営学的に言えば「株主のため」なんだそうだ。
株主のため?
お客様のためじゃないの?
商人はお客様のために商いをするのに、会社は株主のために経営を行う。
だからダメなんだと思う。
私が見てきた腐った経営陣は、自分たちが安全であればいいと考える人ばかりだった。
パワハラは当たり前。セクハラも当然のように行い、訴えられれば開き直った。
仕事は部下に丸投げ。
退職して、社会的地位もお金も安全も失ったけど、私はやっと自分の時間を取り戻したのだ。今それを実感している。